グラブ(Grab)は配車アプリである。GPSから現在地を特定し、住所もしくはタップで場所を指定することで、いつでもどこでも簡単にタクシーの利用ができる。東南アジア版のUberとも言われている。バイクなら数分、車でも10分かからないうちに、現在地まで来てくれる便利なアプリだ。
たしかに、タイにおいて、メータータクシーを簡単に捕まえられる場所ならグラブを使う必要はない。タイではタクシー業界の反発が強く、料金はグラブの方が高くなる傾向にあるからだ。しかし、長距離移動や時間単位でタクシーをチャーターしたい場合、タクシーが捕まらなかったり、ボッタクリタクシーしかいない場所、料金相場がわからないときの値段交渉手段として使える。
タイでタクシーを利用する際の広い保険として、タイに滞在するならスマホへは必ず入れておくべきアプリになっている。
この記事では
▶ グラブ(Grab)の登録方法と使い方
▶ グラブを利用する前に知っておくべきこと
から
▶ タイにおけるグラブの賢い使い方
まで詳しく述べていきたいと思う。
グラブ(Grab)の登録方法と使い方
まず、ダウンロードまでの方法を紹介する。
iOSもしくはAndroidのデバイスで下記リンクをクリックし、ダウンロードボタンを押す。
ダウンロードしたら、アプリを開く。デバイス(スマホなど)へのアクセスを求められるため「OK」を押す。
待ち合わせ場所の確認のために、ドライバーへもしくはドライバーからグラブを通して電話がかかってくる。そのため電話の発信と管理もGrabに許可しておこう。
次に電話番号入力画面になる。
こちらの番号へかかってくるため、現地で利用しているSIMの番号を登録した方が良いだろう。
現地タイSIMの電話番号を知らない場合、「*」と「#」で3桁の番号を挟み発信すると調べられる。3桁の数字はキャリアによって異なっている。
AIS:*545#+発信
dtac:*102#+発信
true:*933#+発信
上記を押すと、スマホなどのデバイス画面へ表示される。
0で始まる10桁の数字がデバイスへ入ってるSIMの電話番号。日本の携帯番号でも登録はできる。ただ、国際電話になってしまうため、タイで利用する場合にはおすすめできない。タイ現地で使うSIMの電話番号を利用した方がいいだろう。
電話番号を登録した後、次に名前とメールアドレスを入力する。
名前はドライバーに表示される。日本人の名前はアルファベットでも特徴がある。外国人だと理解してくれると、なるべく英語を使って電話をかけてもらえる。ただし、タイでも英語が上手いドライバーは少ない。
最後に位置情報を許可して、手続きは終了となる。
SIMの電話番号だけ把握していればすぐに登録手続きは終わるだろう。
登録したメールアドレスにはGrabから「Verify Email Address」リンクの入ったメールが届く。こちらの認証をしなくとも、グラブ自体の利用はできる。
グラブ(Grab)の使い方
グラブを利用するには現在地と目的地を入力する。インターネットにつながった状態で位置情報を許可していれば、現在地に現在の場所が自動的に入力される。
目的地(destination)は住所、店やホテル、施設などの名称を入力したり、地図上からの選択もできる。
グラブ(Grab)の種類
大まかに分けると、「Everyday Ride」と「Extra Space Ride」がある。
車ならGrabCarもしくはGrabTaxiの利用が無難である。人数が大人4人以上になるなら、大型の車を利用すれば良いだろう。
GrabBikeは名前の通り、バイクタクシー(モーターサイ)になる。1人1台、運転手の後に乗る(2ケツ)。タイで提供されているライセンスを持ったドライバーが登録されている。利用できるエリアでは車よりも到着するのが早く便利である。
GrabCar、GrabTaxi、GrabCar Premiumは4人乗りの乗用車タクシーになる。
GrabCarは日本では白タクとも呼ばれ、普通の乗用車になる。ドライバーもタクシー運転手ではなくGrabが認定した一般人になる。多くがタクシーのライセンスを持っていない。原則として、最初に表示された料金のみが請求される。高速道路を利用した際にはその料金が追加される。GrabCarの最低料金は50バーツになっている。
GrabTaxiは街中でも走っているタクシーになる。35バーツの手数料に加えて、メーター分の料金が請求される。上にTHB(タイバーツ)569-739とあるように、表示される料金は概算で幅をもたせてある。
GrabCar Premiumはワンランク上の車種になる。トヨタのカムリ、ホンダのアコードが来る。最初に表示された料金のみが請求される。75バーツから始まり、移動距離あたりの料金もGrabCar、GrabTaxiより高い。
Extra Space Rideでは4人分の席+荷物を運べるGrabSUV、10人分の席+荷物を運べるGrabVanがある。旅行代理店で手配するよりも手っ取り早いため、大人数での移動なら利用価値も高いだろう。
他にも、GrabCar Luxe(BMWやベンツ)、Electric VIP Taxi(電気自動車)もある。
Grab Payを利用しないなら、料金は下車時にキャッシュでの支払いになる。
グラブを利用する前に知っておくべきこと
大前提として、インターネットに繋がっていないとグラブは使えない。したがって、スマホへ入れるタイのSIMカードなどは用意し、インターネット環境は構築しておこう。タイのSIMカードは現地空港や街中だけでなく、日本国内でも購入できる。
現地で買うのと料金的にほぼ差がないため、日本で購入しておくべきだ。
また、グラブを利用する前に
1.グラブの料金について
2.場所によっては捕まえるまでに時間がかかる
以上の点、頭へ入れておいた方が良いだろう。
グラブの料金について
タイにおけるグラブの料金について、タクシーと比べると高くなっている。通常、街中のタクシーを捕まえて、メーターで行ってもらった方が料金は安い。
ただ、RCAといったディスコが並ぶ通りだったり、メータータクシーが捕まらず、値段を高めにふっかけてくる場所ではグラブの方が安い。移動距離に対する料金相場がわかっていないときもグラブで調べれば相場を調べられる。したがって、交渉の際にも使える。
また、タクシーが全然通らない場所、深夜などの時間に迷子になってしまった場合もグラブが役に立つだろう。
場所によっては乗るまでに時間がかかる
グラブが参入した際に、タイではタクシー業界の大きな反発があった。今でもタクシー以外の一般車両の侵入が制限されているエリアがあり、場所によっては乗るまでに苦労する。一般車両ではタクシーが入れる場所に入ってこれないので、荷物を持ってわざわざ移動しなければならないからだ。
タクシー乗り場のある施設なら、値段の点を含めても、タクシー乗り場からタクシーに乗った方が早く、安いことが多々ある。無理にグラブを使う必要性は無いかと思う。
また、施設などでの待ち合わせでは、電話やメッセージでのやり取りが必須になる。電話では英語が通じない運転手も多い。写真を送れるため、待っている場所で目印になるような写真を一緒に送った方が良いだろう。
タイにおけるグラブの賢い使い方
メーターで行ってくれるタクシーを捕まえられるならわざわざグラブを利用する必要はないと思う。特に、空港ではタクシー乗り場からの乗車ができない上に、空港使用料も取られる。空港なら、こうした場所での乗車は空港使用料を節約できるにもかかわらずである。

ただ、タイ観光時、グラブのアプリのダウンロードは必須になる。
たとえば、バンコクからパタヤ、バンコクからアユタヤへタクシーで行こうとすれば値段交渉になる。この場合、アユタヤでも1000バーツ以上を請求されるだろう。しかし、グラブではメーターで計算した正規の料金を表示してくれる。
長距離移動で値段交渉になるなら、グラブを利用した方が安いだろう。もちろん、上記料金を提示した上で値段交渉もできる。長距離ではグラブも捕まりにくいため、街中を走ってるタクシーにグラブの料金を提示した上で値段交渉ができる。
もちろん、料金をふっかけてくるタクシーやトゥクトゥクとの交渉でもグラブが役に立つ。たとえば、アユタヤでもグラブが利用でき、グラブの料金はトゥクトゥクと交渉する際の目安にもなる。
時間あたりの料金。2時間では1時間300バーツ、8時間では1時間275バーツで利用できる。トゥクトゥクとは違い、エアコンの効いた車での移動になるため、トゥクトゥクはこれよりも安くせざるを得ない。もちろん、無理な交渉はせず、これ以上の金額に下げてくれないなら、素直にグラブを利用すればいいだろう。
ちなみに、表示される料金はイベント時やドライバーが不足している時、夜間には上昇する。相場については交渉前に調べた方が良いだろう。