2021年、ドンムアン空港で何度か見た限り、到着ロビーにあるアユタヤ銀行(現地ではKrungsri(クルンシイ)と表記されている)やクルンタイ銀行(KTB、Krung Thai Bank)、カシコン銀行(Kasikorn Bank)、ドンムアン鉄道駅構内にあるハッピーリッチのレートが良かった。
ドンムアン空港国際線ターミナル1階到着ロビーのアユタヤ銀行(クルンシイ)両替所。黄色が企業カラーになっている。アユタヤ銀行は日本の三菱UFJ銀行が大株主になっており、連結子会社である。
アユタヤ銀行の両替レートを何度かチェックしたところ、市場レートと比べても0.67%の差であり、1万円両替しても19バーツ(約67円)の差しかなかった。このときだとバンコク市内の優良両替所と比べても7バーツ(約25円)程度の差である。1万円、2万円ならドンムアン空港内のレートが良い両替所で両替してもそこまで損ではないだろう。
ただ、もっとも安い手数料で両替をしたいなら、両替する前に市場レートをチェックすべきだ。
ドンムアン鉄道駅構内にあるハッピーリッチもレートもネット上でレートのチェックができる。空港で両替する前にはこちらのレートもチェックすべきだ。
毎回同じ両替所がもっとも良いレートになるとは限らない。両替する日にもっともレートの良い両替所がドンムアン空港においても、もっともおすすめの両替所になる。
この記事では2021年時点での
▶ ドンムアン空港でレートの良い両替所
について紹介するとともに
▶ 日本円からタイバーツへの両替レートの確認方法と比較
▶ タイにおけるクレジットカードキャッシングの手数料と為替レート
▶ バンコク市内での両替について
まで詳しく述べていきたいと思う。
ドンムアン空港でレートの良い両替所
ドンムアン空港の両替所は
1.入国審査前
2.入国審査後の荷物受取所
3.国際線ターミナル、国内線ターミナル
4.ドンムアン鉄道駅構内
以上の4カ所にある。
「1.入国審査前」「2.入国審査後の荷物受取所」のエリアはタイ国外、たとえば、日本からタイへ飛行機で来た場合に必ず通るエリアになる。入国審査後の荷物受取所を出ると、「3.国際線ターミナル」の到着ロビーに出る。
この中で比較的レートの良い両替所は「2.入国審査後の荷物受取所」「3.国際線ターミナル、国内線ターミナル」「4.ドンムアン鉄道駅構内」にある。
日本でのタイバーツへの両替はもちろん、「1.入国審査前」の両替所はレートが「悪い」。早めにタイバーツを手に入れたい気持ちはわかる。しかし、損したくないなら、入国前の両替はしない方が良い。
2021年ドンムアン空港でレートが良かった両替所
国際線ターミナルの到着ロビー7番出口(Exit 7)近くに並ぶ両替所。いくつかの両替所は24時間営業になっている。レートも以前より断然良くなった。両替時にはパスポートも必要になるため、日本円とパスポートをすぐに出せる状態でカウンターへ行こう。
著者は2021年にドンムアン空港を何度か利用している。その際、到着ロビーにある両替所のレートを複数回確認している。
2021年時点では国際線ターミナルの到着ロビー7番出口(Exit 7)近く等で営業しているアユタヤ銀行やクルンタイ銀行、カシコン銀行(Kasikorn Bank)およびドンムアン鉄道駅構内にあるハッピーリッチのレートが良かった。ただ、日本円とタイバーツのレートはリアルタイムで変化している。両替所のレートも頻繁に更新されるため、両替するときには、周辺の両替所のレートもチェックしてから行うべきだ。
ドンムアン空港から徒歩圏内の私設両替所としては、ドンムアン鉄道駅構内にあるハッピーリッチがある。
ドンムアン空港へ向かう入口の近く、鉄道駅のホームで営業している。営業時間は毎日6時から22時まで。
2020年2月時点では、到着ロビーにあるアユタヤ銀行よりも1万円あたり2バーツ(約7円)から8バーツ(約28円)程度レートが悪かった。わざわざ両替のためにドンムアン空港からドンムアン鉄道駅まで歩く必要は無いだろう。
ただ、今後の営業方針として、バンコク市内の優良両替所並にレートを良くしていく可能性はある。銀行系「以外」の私設両替所は両替で主な利益をあげている。銀行系の両替所にレートで負ければ、営業も難しくなる。
0.1%単位の手数料まで無駄にはしたくない人はねんのためドンムアン空港で営業している両替所およびハッピーリッチのレートを公式ページで見てから両替すれば良いだろう。タイ語がわからない人はハッピーリッチの公式サイトよりも下記サイトの方がわかりやすい。
ドンムアン空港には無料WiFiもある。ネット環境に無い人はレートのチェック用に空港の無料WiFiを利用すれば良い。

日本円からタイバーツへの両替レートの確認方法と比較
現金の両替する前には、必ず日本円とタイバーツの市場レートを確認しよう。市場レートは様々なサイトで掲載されている。グーグルの検索結果でも、タイ証券取引所のレートが採用されており、こちらでも見やすいのでおすすめである。

「Exchange Rate」が1円あたりのタイバーツである。
2020年2月現時点の市場レートは
1(円)=0.2817(バーツ)
である。
ドンムアン空港ではレートの悪い両替所だと手数料で8~10%も取られる。これらレートの悪い両替所は入国審査前のフロアに多い。
ドンムアン空港でもレートの良いところなら0.5%程度である。バンコク市内でも1年を通して、0.5%が優良両替所の手数料における目安となっている。市場レートが1円=0.2817バーツなら、1円=0.2803バーツ(市場レートの99.5%)を目安に両替すべきだ。
2021年現時点では、市場レート、バンコク市内の優良両替所、ドンムアン空港内の両替所のレート、また、市場レートを基準に手数料を計算しまとめると下記のようになった。
日本円ータイバーツのレート | 市場レートを基準にした1万円あたりの手数料(差) | 市場レートを基準にした手数料(%) | |
市場レート | 1円=0.2817バーツ | 0 | 0 |
バンコク市内の優良両替所 | 1円=0.2805バーツ | 12バーツ(約43円) | 0.43% |
ドンムアン空港のアユタヤ銀行両替所 | 1円=0.2798バーツ | 19バーツ(約67円) | 0.67% |
ドンムアン空港のアユタヤ銀行以外でレートが良かった銀行両替所 | 1円=0.2796バーツ | 21バーツ(約74円) | 0.75% |
ドンムアン鉄道駅にあるハッピーリッチ | 1円=0.2805バーツ | 12バーツ(約43円) | 0.43% |
ドンムアン空港でもレートが良い両替所なら1万円を両替しても100円以下の手数料となる。1万円、2万円ならドンムアン空港のレートの良い両替所で両替してもそこまで損ではないだろう。
10万円、20万円をドンムアン空港で両替すると、バンコク市内の優良両替所に比べ、100バーツ(約350円)、200バーツ(約710円)と差が開いてしまう。この額になると、1食分ぐらいの差はでるので、バンコク市内の優良両替所でまとめて両替した方が良いかもしれない。
ちなみに、ドンムアン空港にある銀行系両替所のレートはホームページに乗っているレートよりも良かった。ドンムアン空港では特別なレートが設定されている。
市場レートはリアルタイムで変化しており、急激に円安が進んだときに両替すると、手数料分がマイナスどころかプラスになる。優良両替所ほど、この傾向が出やすい。
両替所における日本円ータイバーツのレート確認方法
両替所の前などに表示されるボードには「BUY」と「SALE」の文字と数字が表示されている。
為替レートボード。ボードには「BUYING RATE」「SELLING RATE」の文字がある。
日本円からタイバーツへ両替する場合、このBUYの部分、通常は左側の数字を見る。上の画像で言うと、日本国旗とJPY(:100)の一番左側に表示された数字で、28.37が100円で交換できるバーツの額である。つまり、1万円渡せば28.37✕100で2837バーツに両替できる。日本円とタイバーツのレートでは×100の他、×10000で表記されている両替所も多い。
この額以外で手数料を引かれることはほぼ無い(あったら別の両替所にすべき)。日本円からタイバーツへの両替なら、この「BUYING RATE」がもっとも大きいところで両替すれば良い。
BUYING RATEの右の数字がT/C(トラベラーズチェック)のレートになる。SELLING RATEが1円を交換する際に必要なバーツの額である。つまり、3089バーツ渡せば1万円と交換できる。
基本的に日本円からタイバーツへの両替が多いかと思うので、BUYING RATEが高い店ほどレートが良いと覚えておけば良いだろう。
・BUYING RATEが高い=両替レートが良い
SELLING RATEについては、低ければ低いほど、少ないタイバーツで日本円に交換できるためお得になる。
ちなみに、BUYING RATEとSELLING RATEの差が小さい両替所ほど、取ってる手数料は少なくなる。
また、両替は紙幣にしか対応していないのが普通だ。500円玉以下の硬貨は両替に使えない。したがって、日本円での両替は1000円札以上を出さなければならない。
タイにおけるクレジットカードキャッシングの手数料と為替レート
日本で発行したクレジットカードでも、VISAやMasterCard、JCBといったブランドならタイ現地ATMでキャッシング機能が利用できる。つまり、キャッシング枠のあるクレジットカードを持ってるだけでタイバーツの引き出しができる。もちろん、ドンムアン空港のATMでもクレジットカードのキャッシングによるタイバーツ引き出しができる。
ただ、こうしたキャッシングにはATM手数料および金利(利息)といった手数料がかかってくる。また、引き出したタイバーツの請求は日本円でなされるため為替レートも無視できない。
タイにおけるクレジットカードキャッシングの手数料、為替レートについて詳しく知りたい人は下記記事を参考に。

基本的にタイでは日本円(キャッシュ)でタイバーツへ両替するのが手数料も安くなる。
バンコク市内での両替について
バンコク旅行の場合、バンコク市内のどこかへ滞在するのが普通だろう。上でも述べたように、バンコク市内にいくつかある優良両替所ではがねがね0.5%以下の手数料、タイミングによっては市場レート並のレート(手数料0円)もしくはそれ以上のレート(手数料がマイナスではなくプラス)で両替が可能となっている。つまり、1万円をバンコク市内の優良両替所で両替しても、手数料は50円以下になる。これはタイにおいて日本円の需要が高く、手数料を払ってでも日本円を買いたい人が多いからだと思われる。
BTSナナ駅の下で営業する優良両替所「ワス エクスチェンジ(VASU EXCHANGE)」。バンコクの主要エリアであるスクンビット、シーロムにも0.5%以下の手数料で両替が可能な優良両替所がいくつかある。
したがって、空港ではバンコク市内へ出る移動費プラスαだけ両替すれば十分かと思う。残りは必要に応じて、バンコク市内の優良両替所で両替すれば良い。レートによる差を抑えたいなら、旅行の途中で必要な額だけ少しずつ両替しよう。
もちろん、両替金額が10万円以下であり、数百円程度の差は気にしない人、タイバーツを多めに持っておきたい人なら、レートを確認した上でドンムアン空港内で全額タイバーツへ両替すれば良い。
また、ドンムアン空港内には24時間営業している両替所もある。
「Open 24 hours every day」の文字。ドンムアン空港のアユタヤ銀行は24時間営業。
夜にドンムアン空港へ到着した場合、市内の両替所はだいたい閉まっている。21時以降になると、バンコク市内ではタニヤの両替所ぐらいしか優良両替所が開いてない。したがって、翌日朝まで支出予定の額を空港の両替所で用意しておくべきだ。当日、夜遊びでもしない限りはこの場合でも数千バーツ程度で十分だろう。
ドンムアン空港への到着が深夜の場合、バンコク市内への移動はタクシーのみとなる。朝までドンムアン空港構内で待つか、タクシーで移動する選択肢しかない。タクシーを使う場合、行き先、滞在先の場所にもよるが、500バーツは用意すべきだ。タクシー運転手は両替用の紙幣を持っていないことが多いため、細かい札を用意しておくとなお良い。移動費以外にも、日中バンコク市内で両替するまでの出費は予め予想し、多めに用意しておこう。
タクシーやエアポートバスといったドンムアン空港からバンコク市内への詳しいアクセスの手段については下記記事を参考に。
