バンコクに長期滞在している日本人は統計の範囲で約3万人(th.emb-japan.go.jpより)、統計に現れない滞在者を含めると10万人を越えると言われている。このように日本人が数多く住んでいる環境なので、バンコクでも「リトル東京」と呼ばれる日本人街がいくつか形成されている。
海外の日本人街は日本人向けのお店が多く並ぶエリアである。日本人の居住者が多いエリアもある。
バンコク最大の日本人街はタニヤ通りであり、「シーロム」にある。

スクンビットでも特に日本人街として栄えているのが、トンロー通りとスクンビットソイ33である。こちらも日本人向け料理店からカラオケ屋まで数多く並んでいる。
バンコクにおけるそれぞれのエリア名や位置関係については下記GoogleMapも参考に。
バンコクの主要エリアマップ。バンコクの日本人街は「シーロム」と「スクンビット」にある。
この記事ではバンコクにある日本人街として
▶ 繁華街の中心にある「タニヤ」
▶ 日本人駐在員が多い「トンロー」
▶ 夜遊びスポットの多い「スクンビットソイ33」
を中心に紹介し、存在感を増してきた中国と
▶ 2020年、タイにおける日本人街の現状
についても詳しく述べていきたいと思う。
「タニヤ」は繁華街の中心にある通り
タニヤ(タニヤ通り)では日本人向けレストランや日本人向けカラオケを中心に多数の店が営業している。タニヤ通り沿いは日本語で溢れ、異国の地でも日本の雰囲気を濃く感じさせてくれるバンコク最大の日本人街だ。
ここにある日本人向けカラオケは日本で言えばキャバクラのような店である。店内だけでなく、店外でのデートも気軽に楽しめるたね、数多くの日本人「パパ」も訪れている。
夜のタニヤ通り。通り沿いにカラオケ店の呼び込みで若い女性が立っている。
タニヤ通りのカラオケについて更に詳しくは下記記事を参考に。

タニヤ周辺にはパッポン通りと呼ばれるゴーゴーバーを中心とした繁華街の他、男性同性愛者向け歓楽街のボーイズタウン(ゲイ向けのエリア)もある。
パッポン通りのゴーゴーバーについて更に詳しくは下記記事を参考に。

シーロムは比較的同性愛者に寛容なバンコクでも、特にゲイが集まるエリアとなっている。バンコクでも最大級のボーイズタウンがあり、イベントのある週末にはBTSサラディーン駅下を通るシーロム通り沿いもゲイで溢れている。
ボーイズタウンにはゲイだけでなく、女性が好きな男性も働いている。こうしたエリアでは女性が男性を求めて訪れるケースもあり、日本の女性芸人がタイ人男性をホテルへ連れ出しているところも目撃されている。
タニヤを含むシーロムにはオフィスを構えている日系企業も多く、昼も夜も日本人の多いエリアとなっている。
日本人駐在員が多い「トンロー」
トンロー交差点。スクンビット通りから北(写真では左)へ出ている通りがトンロー通り(スクンビットソイ55)。
トンローや隣のプロンポンは日本人駐在員が多く住んでいる。
トンロー通りには日本料理店が並び、日本人も度々見かける。タニヤほどではないが、日本人向けカラオケ店やマッサージ屋もある。
トンロー通りからエカマイ方面へ向かうと地元のセレブが通うクラブもある。アソークといったバンコクの中心地にも近く、利便性の高いハイソなエリアとなっている。
スクンビットソイ33は夜遊びスポットの多い通り
スクンビットソイ33はBTSアソーク駅とBTSプロンポン駅の間にある通り。日本人向けカラオケやマッサージ店が並ぶ。日本人向けレストランよりも、男性向けのカラオケやマッサージ店が多い。タニヤ通りほど騒がしくなく、落ち着いたエリアになっている。
スクンビットソイ33のスクンビット通り入口からBTSアソーク駅、BTSプロンポン駅へも徒歩5分程度で行ける。アクセスが良いにもかかわらず、ホテルもそこまで高くないため、長期滞在者も多い。
夜遊びスポットが並ぶスクンビット ソイ33にあるオシャレな日本風の新築ホテル「サクラ スカイ レジデンス(Sakura Sky Residence)」。ホテルからスクンビット通りまで250mの位置にある。
2020年、タイにおける日本人街の現状
バンコクの他に、シラチャやアユタヤにも日本人は多く、日本人向けのお店がタイでは数多く営業している。しかし、タイ全土で中国人に押され、日本人向けから中国人向けへと変わる店も出てきている。
チェンマイは中国の人気ドラマの撮影で使われ、この影響で中国人観光客が増加した。経済的に余裕のある中国人が増えていけば、近場のタイへ訪れる中国人はさらに増えるだろう。
タイの首都バンコクやシラチャではまだまだ日本の存在感が強い。しかし、以前まで多くの日本企業が入居していた工業団地アユタヤでは、大きな洪水があってから日本人が減り続けている。今では日本人向けカラオケにも中国人客が増え、日本の存在感も薄くなっている。
好調な経済に支えられ、多くの中国人がタイにも押し寄せ、日本人街の新たな顧客となっている。今の世界における経済状態をタイ一国でも痛感させられるのは少々寂しい思いである。
バンコクに限らず、タイの日本人街は当たり前の話として旅行者でもウェルカムの雰囲気がある。短期旅行者は敬遠しがちであるが、タイで日本を感じるのも新鮮かと思う。旅行再開後、タイへ訪れる予定の人は日本と共に成長して来た異国の地にある日本人街も是非訪れてみてほしい。
観光する前に知っておきたいバンコクのエリア情報については下記記事を参考に。
