バンコクのカオサンエリアにはバックパッカー向けの安宿が数多く営業している。
こうした安宿の多くはゲストハウスという形になっており、シャワールームや洗面所、トイレなどはほかの宿泊者と一緒に使う共用である。ベッドのある部屋も個室ではなく、通常はドミトリーとなっている。
ドミトリーとは1つの部屋にいくつかのベッドが置かれ、他の旅行者と同じ部屋で寝泊まりするようなタイプのプランである。
「3ハウー ホステル」のドミトリー
ゲストハウスには様々な共用のスペースがあり、他の旅行者と接する機会も多くなる。通常のホテルよりも、旅行者と交流しやすい、仲良くなれる環境にあるだろう。
日本人がカオサンでゲストハウスを利用したい理由は様々かと思う。海外の旅行者との交流だったり、料金的な安さなどで選んでいるだろう。しかし、通常のホテルよりトラブルが発生しやすいのも、ゲストハウスの特徴になっている。現金や荷物の管理など、日本人は無防備なので旅行前に対策しておくべきだ。
この記事では
▶ カオサンでゲストハウスに宿泊する前に知っておくべきこと
をおすすめのゲストハウスとともに紹介し、ドミトリーではなく個室がある
▶ カオサンのおすすめホテル
から
▶ 海外旅行初心者が知っておくべきカオサンのゲストハウスに宿泊する際の注意点
についても詳しく述べていきたいと思う。
部屋、トイレ、シャワーが共同ではなく、各部屋に配備されているシングルルームは「カオサンのホテル」で紹介している。
ドミトリーではなく、こうしたシングルルームへ宿泊したいと思っている人は下記記事を参考に。

カオサンでゲストハウスに宿泊する前に知っておくべきこと
カオサン通り(黄色)とその周辺にある主要エリア(OpenStreetMapより)
カオサンでゲストハウスに宿泊するなら、事前に予約はしておくべきだ。また、料金を抑えたい人、静かな環境で滞在したいならメインとなるカオサン通りは避けた方が良い。
現地で予約なしに宿を探すと、暑い中で探し回る必要が出てくる上に、料金も高い値段で妥協せざるを得なくなる。やっとのことで空室を見つけても、部屋が空いてる宿は人気が無いため管理がずさんだったり、トラブルに巻き込まれる確率も高くなる。
また、メインとなるカオサン通り沿いのゲストハウスは料金が上がっても、サービスの満足度は低くなる傾向にある。
くわえて、カオサン通り沿いの部屋だと、音楽も朝の4時ぐらいまで聞こえてくる。寝る時ぐらいは静かな環境で過ごしたい人にはカオサン通り沿いのゲストハウスは不向きである。
カオサンのおすすめゲストハウスとカオサンの地図
カオサンエリアはメインとなるカオサン通りを中心に、周辺のエリアで構成されている。カオサン通りのほか、周辺のエリアを含めると、カオサンには200を越えるゲストハウスが存在している。
こうしたカオサンにおけるおすすめのゲストハウスを目安価格とともにまとめて紹介すると下記のようになる。
>>> カオサン通りのすぐ近く、観光客向けの店が並ぶ通りにあるゲストハウス(1泊500円程度)
>>> カオサン通り北の落ち着いた通りにあるゲストハウス(1泊1000円程度)
>>> カオサン通りと縦に交わるチャクラポーン通り沿いにあるゲストハウス(1泊1000円程度)
>>> カオサン通りからは徒歩10分程度、カオサンエリア郊外のゲストハウス(1泊900円程度)
>>> 観光客向けの店が並ぶエリアにあるゲストハウス(1泊900円程度)
※価格はあくまでも目安であり、時期によっても異なります。宿泊料金は上記リンク先でチェックインとチェックアウトの日付を入れるだけでチェックできます。
おすすめのゲストハウスの詳細な場所については下記Google Mapsを参考に。
カオサンエリアにあるゲストハウス地図。右上の枠の記号(拡大地図を表示)をクリックして拡大で表示すると見やすくなる。左上の矢印が付いた枠記号を押すと、主要スポットやおすすめホテル一覧も表示されます。
下記ではカオサンエリアにあるおすすめのゲストハウスをさらに詳しく紹介したいと思う。
ザ ミックス ホステル(The Mixx Hostel)
観光客向けの店が並び、賑やかなランブッテリー通り(Rambuttri alley)にあるゲストハウス。ランブッテリー通りはカオサン通りの1本北の通りにある。
カオサン通りに近いのはもちろん、ホテル周辺はレストラン、マッサージ屋も多く滞在には便利な環境にある。
1泊500円程度と格安だが、満足度は高いホテルである。
具体的な料金は下記リンク先でチェックインとチェックアウトの日付を入れれば確認できる。宿泊料金を比較するために予め見ておいた方が良いだろう。
>>> ザ ミックス ホステル(格安ホテル予約サイト 最新料金)
ザ ストリート ホステル(The Street Hostel)
ランブッテリー通りの1本北にある通り沿いで、比較的落ち着いた通りにあるゲストハウス。カオサン通りへは徒歩3、4分で向かえる距離にある。
1泊1000円程度となっている。具体的な料金は下記リンク先でチェックインとチェックアウトの日付を入れれば確認できる。宿泊料金を比較するために予め見ておいた方が良いだろう。
>>> ザ ストリート ホステル(格安ホテル予約サイト 最新料金)
ウォーム ホワイト ホステル(Warm White Hostel)
カオサン通りと縦に交わる大通り「チャクラポーン通り(Chakrabongse Road)」沿いにあるゲストハウス。
共用スペースで宿泊者同士が集まってワイワイ騒げるゲストハウスである。
1泊1200円程度となっている。具体的な料金は下記リンク先でチェックインとチェックアウトの日付を入れれば確認できる。宿泊料金を比較するために予め見ておいた方が良いだろう。
>>> ウォーム ホワイト ホステル(格安ホテル予約サイト 最新料金)
>>> ウォーム ホワイト ホステル(Agoda 最新料金)
ウォーム ホワイト ホステルはシングルルームもある。ただし、シャワールームなどは個室についておらず、ドミトリーとの共同になっている。
3ホウ ホステル カオサン(3HOWw Hostel Khaosan)
カオサン通りからは徒歩10分程度、カオサンエリア郊外のゲストハウス。静かな環境にあり、オシャレなゲストハウスがいくつか固まっている路地にある。
ゲストハウスの共用スペースでは宿泊客同士で集まり盛り上がっていた。
1泊900円程度となっている。具体的な料金は下記リンク先でチェックインとチェックアウトの日付を入れれば確認できる。宿泊料金を比較するために予め見ておいた方が良いだろう。
>>> 3ホウ ホステル カオサン(格安ホテル予約サイト 最新料金)
>>> 3ホウ ホステル アット カオサン(Agoda 最新料金)
バーン チャナソンクラーム(Baan Chanasongkram)
バーン チャナソンクラームは細い路地にレストランやマッサージ屋、タトゥーショップが並ぶチャナソンクラーム通り(Chanasongkram Alley)で営業している。
バーン チャナソンクラーム受付。チェックアウトは12時。13時から16時までのレイトチェックアウト(遅い時間のチェックアウト)にも対応している。16時以降のチェックアウトは1泊分の料金がかかる。
バーン チャナソンクラームはドミトリールームだけでなくシングルルームもある。
ドミトリーは1泊900円程度。シングルルームを含むゲストハウスの正確な値段はリンク先で日付を入れるだけでチェックできる。
>>> バーン チャナソンクラーム(格安ホテル予約サイト 最新料金)
チャナソンクラーム通りの南側から繋がるソイ ランブットリー(Soi Ram Buttri)も露店、レストラン、ゲストハウスなど観光客向けの店が数多く並び、にぎやかである。
チャオプラヤ川のチャオプラヤーボート乗り場にも比較的近く、バンコク市内へのアクセスにも便利な位置にある。
ソイ ランブットリー。チャナソンクラーム通りはソイ ランブットリーと繋がっている。
ロングラックゲストハウス(Long luck guesthouse)
共用スペースで集まっている日本人旅行者(facebook.com/pg/longluckguesthouse/より)
カオサン通りから徒歩圏内には日本人旅行者向けの宿「ロングラックゲストハウス(Long luck guesthouse)」がある。
ゲストハウスへ宿泊するにしても、日本人との交流を期待するなら、こうした日本人宿が良いだろう。記事後半で紹介するようなゲストハウスで生じうるリスクも、ある程度は下げられるはずだ。ちなみに、オーナーはタイ人になる。
男女ミックスのドミドリーで1泊280バーツ、女性ドミドリーも1泊280バーツになる。
※料金は流動的です。正確な価格は問い合わせにて確認して下さい。
シングルルーム(個室)も用意されている。予約は下記のフォームから行える。
カオサンのおすすめホテル
ダン ダゥーム ホテルの客室
ゲストハウスのように寝室まで共有だと現金の管理が面倒になるし、他人がプライベート空間にいることでストレスを感じる人もいるはずだ。カオサン通りで騒いだ後は部屋でゆっくりと休みたいという人も多いだろう。カオサンに滞在するカップルも通常は個室(シングルルーム)を選択する。
こうしたシングルルームへ宿泊したいと考えている人に向け、カオサンエリアでシングルルームを提供しているおすすめホテルの簡単な紹介からすると
▶ カオサン通り沿いのおすすめホテル
>>> カオサン通り沿いにあり、コンパクトだがオシャレな客室のホテル
>>> カオサン通り沿いにあり、コンパクトなシングルルームのホテル
>>> カオサン通りに沿いにあり、オシャレな東洋風のデザインホテル
▶ カオサン周辺のおすすめホテル
>>> カオサンよりも落ち着いたエリアにあり、長期滞在者に人気のオシャレなホテル
以上のようになる。宿泊料金は上記リンク先でチェックインとチェックアウトの日付を入れるだけでチェックできる。
おすすめホテルの詳細な場所については下記Google Mapsを参考に。
カオサンエリアにあるおすすめホテルの地図。右上の枠の記号(拡大地図を表示)をクリックして拡大で表示すると見やすくなる。左上の矢印が付いた枠記号を押すと、ホテル一覧が表示されます。
上記で紹介したホテルの場所は、このマップを別タブ・ウインドウ(もしくはアプリ)で開いておくと参照しやすいです。
カオサンでシングルルームに宿泊した人へ、さらに詳しくおすすめホテルを知りたい人は下記記事を参考に。

海外旅行初心者が知っておくべきカオサンのゲストハウスに宿泊する際の注意点
これからカオサンエリアのゲストハウスに滞在しようと考えている人は
1.現金の管理を含む盗難対策は事前に行う
2.ドラッグの誘惑に注意する
3.異性の連れ込みは現実的ではない
という点は頭へ入れておくべきだ。下記でそれぞれ詳しく紹介していく。
1.現金の管理を含む盗難対策は事前に行う
通常のゲストハウスは1つの部屋を複数人のバックパッカーでシェアする。一部日本人は、欧米人はみな金に余裕があると思っている。しかし、バックパッカーなら欧米人でもお金をあまり持っていないのが普通だ。したがって、ドミトリールームで宿泊客の目を気にせず、お金を数えていたりするのは警戒心が無いと言わざるを得ない。また、現金のアピールをしなくとも、盗難は生じうるものとして盗難対策は必ず行うべきだ。タイで警察に相談しても、盗まれた物はまず帰ってこない。
スーツケースを部屋に置きっぱなしにするなら、最低限カギをかけておこう。カギのかけられないリュックに現金や貴重品を入れておくと、他の宿泊客などに盗まれるリスクがある。常に現金を持ち歩くのも紛失等で心配なら、隠し金庫に現金を入れるなどはしておこう。
ホテルの受付に預けるのは難しく、預けられたとしても盗難時の責任は取ってもらえない。
もちろん、個室の部屋が提供されているホテルに泊まれば、より安全に滞在できる。宿泊客による盗難が心配なら、ドミトリールームではなく個室のシングルルームへと宿泊すべきだ。
くわえて、バックパッカーなら、現金は最低限の額だけ持ち歩くようにしよう。バックパッカーなど長期旅行者は、必要に応じて現金の引き出しができるキャッシング機能付きクレジットカードを使うのがおすすめである。

2.ドラッグの誘惑に注意する
バックパッカーが集まるカオサンには大麻といった薬物の誘惑もある。ホテル予約サイトから削除されたホテルの中には、過去にマネージャーが大麻の販売を行っていたり、ホテルの従業員が売買に関与していたケースもあった。今でも日本語の「葉っぱ」は現地で日本人に大麻を売る隠語として使われている。
今ではホテル側がドラッグに関与したケースは今では珍しくなっている。しかし、他の旅行者による大麻などのドラッグの持ち込みは完全には防げない。ノリに任せてはしゃいでいると、ドラッグをすすめられたりもするので、最低限の警戒心は持っておき、怪しい薬物をすすめられたらきちんと拒否すべきだ。お酒などで理性を失いやすい人などは特に注意しよう。
3.異性の連れ込みは現実的ではない
異性との出会いが目的でカオサン通りに訪れる人も多い。カオサン通りではセクシーな格好をした女性も多く、中にはお金を払ってお持ち帰りができるプロ(売春婦)も混ざっている。プロではない女性をナンパしてホテルへの持ち帰りを考えている人もいるだろう。しかし、ゲストハウスへの持ち帰りは原則不可になる。
宿泊者を装って持ち帰っても、ドミドリーでそういった行為をすれば、周りからもネガティブな反応をされる。下手をすれば部屋から追い出されたり、警察を呼ばれることもあるはずだ。
こういった行為を目的にカオサンへ訪れる人も個室の部屋が提供されているホテルを予約すべきだ。カオサンのホテルはバンコクにある多くのホテルと同様に、通常1部屋に2人まで宿泊が可能である。
確かに、ゲストハウスと違い、シングルルーム(宿泊客ごとに分かれている部屋)が提供されているホテルでは、他の宿泊者と交流機会も少なくなる。ただ、ディスコだったり、バーでの交流もできる。
カオサン通りは夜になると道に人が溢れ、周辺のレストランから流れる音楽でストリートがディスコ状態になる。
カップルで訪れる場合も、多少値段は上がるが、シングルルームの方がおすすめである。カオサンでおすすめのホテルは下記記事を参考に。

カオサンでは人と接する以外の楽しみ方もある。様々な食事を楽しんだり、マッサージを受けたり、のんびり過ごすのも良いだろう。
カオサンはバンコクの他のエリアとは異なる雰囲気を持つ街である。タイらしくない欧米の繁華街のような雰囲気を楽しめるのは1つの魅力になっているかと思う。
バンコクという大都市にあるテーマパークの1つとして、カオサン周辺エリアに浸ってみてはいかがだろうか?
カオサン通りでできる昼と夜の楽しみ方、過ごし方についてくわしく知りたい人は下記記事も必読である。
